今日はボス論を。
人は群生動物なので、基本的には群れて生活します。
俺は一人で生きていると思っているのは中学二年生くらいです。
みな誰かと支えあいながら生きています。

このへんはアリやハチやサルなど社会性の高い動物も同じですね。
その中ではボスと呼ばれるえらい人の存在が不可欠です。
アリやハチは女王を頂点としたヒエラルキーが存在しますが、
外見上はカーストのように見えて実はそうではなく、
役割としての女王であるだけで、権威があるわけではなさそうです。
女王は卵を産む役というだけの役割であり、女王がもし死んでも、
働きバチの中からあたいが次の女王やりますって感じですぐに替えがきくとか。

逆にサルなんかはチカラ関係で優位に立つボスがいるように、チカラ社会です。
その集団の中で最強のオスがボスになります。
ボスになればその縄張りの中では一番偉いのでバナナ取ってこいと威張れたりしますが、
当然その集団を外部から守らなければならないので、
やはりチカラだけではなくリーダーシップも必要になります。
みんなからの畏敬の対象でありつつ、慕われもしないといけませんね。
このボスは役割というだけでなく象徴でもあるわけです。
そのボスの存在理由としてはそのリーダーシップでもって集団を正しく導くためです。
つまり集団ありきの集団のためのボスというわけですね。

打って変わってRPG世界には魔王軍というものがあります。
魔王軍の頂点には魔王がおり、強力なリーダーシップでもって世界征服を企図します。
魔王は数多のライバルとの出世競争に勝ち抜いて魔王に成り上がったのでしょうか。
否、魔王は生まれながらにして魔王です。
魔王軍とは魔王が世界征服を円滑に進めるためのものであり、魔王のためのものです。
魔王がその目的を達するために作ったものであり、魔王ありきの集団ということになります。
しかし魔王というのはその有り余る強大なチカラでもって世界征服をすればいいわけで、
部下なんて必要なのでしょうかという疑問があります。
部下とかいらんやんってくらいに強過ぎる魔王にとって部下とはなんのためにいるのでしょう。

るろうに剣心の志々雄真実はスタミナに不安があるため十本刀という部下がいました。
これはある意味合理的です。
また彼は帝王然としたボスらしさを持っていますが、
しかし時折端々に部下へのねぎらいや思いやり?があったりするので、
チカラだけでなくそのカリスマ性でもって人心掌握したボスの中のボスだと言えます。

トライガンのナイブズ=ミリオンズにはガンホーガンズという部下がいました。
ボスであるナイブズが集めたことには変わらないのですが、
どちらかというとボスが組織したというよりもボスに心酔して寄り集まって出来た感があります。
当のボスとしては人間自体を忌み嫌っており、絶滅させたいと思っているので、
その気持ちは部下に対しても例外ではなく、部下も他の人間同様にゴミ同然に思っています。
あまり覚えていませんが、抽象的な命令しか出していなかったように思えます。
こういう上司を持つと部下は命令で動くというよりは忖度で動くことになります。
直接的な命令はないけども、おそらくこういうことをするとボスは喜ぶんだろうな・・・
というイマジネーションがものを言う忖度でもって行動します。
しかし主人公を勝手に殺そうものなら逆にボスの逆鱗に触れることになるので、
勝手は許されずある程度気の利いた忖度が必要となります。
部下としてはちょっとやりにくい感がある上司ですねw

話を戻すと魔王は世界征服を達成するために魔王軍を組織したのであって、
世界征服後にその魔王軍はどうするつもりなのでしょうか。
魔王軍による素晴らしい世界を築くことまで考えているのでしょうか。
そういうことであるならば合理的なのかもしれません。
なぜなら当然魔王にも出来ないことはあるからです。
たとえば金勘定系の仕事は経理に任せたいし、
移動手段の確保やスケジュール管理のために秘書だって欲しい。
魔王に出来ないことを部下に任せるために集団を作るのです。
魔王に出来ないこと。それは戦い以外の面倒な雑務でしょう。
勇者を頂点とする人間世界を征服したならば戦いは必要がなくなります。
その後のことまで考えて魔王軍を組織しているのだからこそ、魔王は有能なのです。

前の時代を壊すことよりも新時代を創る方が何倍も難しいと聞きます。
魔王は来たるべき魔王時代を創るために有能な部下を登用し、魔王軍を率いているのです。

最後にかの名将野村克也監督はこう述べています。

「組織はリーダーの力量以上には伸びない。」

つまりボスはその絶大なチカラやカリスマ性でもって組織を率いるのだけれども、
ボスもまたそこにあぐらをかくのではなく、絶えず成長しなくてはならない。
そうでなければその組織も成長しないのだから。
魔王も常に勉強しないといけないということですね。