ということで、挿入歌「Blossom*Perfume」を公開してから、いくつかご感想のお声をいただきました。
DTM仲間がいるんですけど結構辛らつなアドバイスを受けたので、早速リマスタリング。



Blossom*Perfume Remastering Ver

ということで、ここで私の少しばかりのDTM講座というか作詞・作曲講座でも。
手順を追ってご説明しますね。

1.曲の構想(メロ原案)
まずはどういう曲にしようかというテーマを練ります。
暗い曲なのか、明るい曲なのか、速いのか遅いのか。
ポップなのか、ロックなのか、バラードなのか。

っていうか、そもそも「曲が作りたい!」っていう衝動に駆られている時は
「こんな感じの曲が作りたい!」っていうところから始まっているはずので、
どういう曲調かなどは練ると言う工程を経るまでもないでしょうね。
(「曲が作りたい!でもどんな曲にしようかな・・・」なんて人はいません。)

どういう曲にしたいかということは、こういう曲が作りたいという欲求が発生した時に、
既に勝手に練られているものなんです。
これはRPG制作でも同じです。
「ダークファンタジーを作りたい!」「グッとくる短編を作りたい」
という欲求がまずはじめにくるものなので、
「RPG作りてー!でもどんなのにしよう・・・」ということはないはずです。

と、まあ前置きが長くなりましたが、後述しますがこの工程で最も重要なのが、

・サビから作る。
・得意な楽器で作らない。

ということです。

まずこの工程である程度メロの原案は作っておきます。
どこから作るってあんたそりゃサビからに決まってます。
最もリスナーに聴かせたいところはサビであり、そこをピークにAメロ、Bメロを作っていきます。
というのも、御味噌屋はAメロから作ってうまくいった試しがありません。
Aメロから作っちゃうとピークがAメロになってしまうんですね。
一番聞かせたいところを一番最初に考えた方がよろしいです。
RPG制作も同じです。
ピークをどこにもってくるかは人それぞれですけど、
まさか薬草摘みから考案していく人はいないですよね。
クライマックスを練り、そこから他の部分を作っていった方がよいでしょう。
(ただしゲームも歌もそうですけど、取っ掛かりというのは重要です。
なぜなら第一印象が悪いとそこでプレイをやめてしまうこともままあるからです。)

で、じゃあメロを作る際、何を用いてメロを作るでしょうか。
私が曲作りをする際、最も得意な楽器であるギターは絶対に使いませんw
なぜでしょうか。
ある程度楽器というものは修練を積むと、勝手に体が動き出すという領域に達します。
これを「手癖」と呼びますが、この手癖は時として大きな武器となり、時として大きな魔物になります。
「手癖」はたくさんあればそれは「引き出し」と呼ぶことも出来ますが、
こと楽曲制作においてはこの「手癖」ほど厄介なものはないです。
どれも似通った曲調になってしまうからなんですね。
また目新しいアイデアも浮かびません。
あえて苦手な楽器でやるということまではしなくても良いですが、
得意な楽器はそれだけ癖が染みついていると思った方がいいでしょう。
それは鼻歌も同様です。
結局自分の頭の中で鳴っているものは、
自分にとって気持ちのいい範囲の音でしかありませんね。
私の場合はピアノを使って作ることが多いです。
ここは人によりけりだと思います。

2.譜面(コード表)におこす
1の工程である程度固まったメロのアイデアを、今度は譜面におこします。
これは楽曲の設計図になるところなので気合い入れたいとこですが、
譜面とは言っても、堅苦しくない簡単なコード表でいいんです。
全体の伴奏の方向性を決定するのがここでのコード進行の決定であり、
非常に重要な工程なのですが、ここは思った以上に難解です。
何故なら作曲法として、

・コードからメロを付ける
・メロからコードを付ける

の2パターンあるのですが、圧倒的に簡単なのは前者です。
何故ならコードというのは和音=決まった単音の集合体であり、
コードが決定している以上は、その中でメロとして使える音というのがあらかじめ決まっています。
そのコードの持っている音の中を参考にメロが作れるので非常に作りやすいです。
なので、例えるならあらかじめレールが敷いてある上を通る感じなので楽なのですね。
しかもコード進行というのもある程度パターン化しているので、非常に楽です。
しかし逆のパターンである後者は大変です。
自分でコードを探さないといけないからですね。
手掛かりとしてメロのルート音をたどって行くというやり方がありますが、
これは実際に楽器でコードを奏でて1個1個しっくりくるのを当てはめていくという他ありません。
時間がかかるんですね。
しかし前者では似たり寄ったりの楽曲になりがちなのに対し、
後者はオリジナリティを表現出来るというメリデメもあります。
ここは一長一短ですね。

それからここでは曲の構成も練ってしまいます。
例えば今回リリースした「Blossom*Perfume」だと

サビ→イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ1→サビ2→Aメロ→Bメロ→ギターソロ・・・

というような構成になっておりますが、
ここではある程度完成形を作っておきたいので、
曲がどういう始まりなのか、どこに曲全体のピークを持っていくのかなど
諸々を含めた曲の全構成を決定します。
簡単に言うと、この工程で既に弾き語りが出来るようになってくださいということです。
もちろん歌詞は次の工程で作るので完璧には出来ないのですが、
アコギと鼻歌で1曲すべて弾き語り出来るレベルにまで曲を完成させます。


3.歌詞
メロとリズムが決まったら、いよいよメロに歌詞を乗っけていきます。
ここは楽しい工程なのであんまり論じることはありませんが、
言葉のチョイスによって歌い回しが異なってくるということがあります。
例えば同じ3文字の「こころ」と「アイス」では全く違ったものになります。
歌い手側の歌い回しの癖やイントネーションの違いもあるのですが、
メロに対ししっくりくるワードのチョイスは念入りにした方がいいです。
歌い手の歌い回しのクセをリサーチした上で歌詞を練るのが吉です。

ここだけの話ではないのですが、楽曲制作で悩んで滞った時は一旦現実逃避してください。
悩んでもいいものは浮かばないので、
一旦すべての工程を放棄して、閃くのを待った方がいいです。
「ちょっと一服しよう」くらいじゃダメですw
「もういいや!なんぼやってもできねーからやーめた」くらい思い切った方が後々いいものが出来ます。
これはRPG制作でも同じですね。
どうやってストーリーを進めようか迷うこともあります。
そういう時はもうやめちゃうくらいの方がいいですね。
でもそのままホントにやめてエターならないように注意しましょう。

4.ドラム・ベースなどリズム隊打ち込み
5.ピアノ・ストリングス系のメロ楽器打ち込み
6.パッド系のメロ楽器打ち込み
7.ガイドボーカル打ち込み(ここでオーディオデータに書き出し)

ここらの打ち込み作業は割愛しますよ。楽器の特性に気をつけながら(人は手は二本、足は二本しかありませんよw)、そしてベロシティに気をつけながら打ち込んでいきます。

7のガイドボーカル打ち込みについては、私は歌手の方に歌っていただく場合に、
①オケのみ
②ガイドボーカルあり
③仮歌あり
という便宜上3種類の音源を歌手の方へ送りますが、
仮歌は歌い方、歌い回し等のニュアンスを伝えるためのもので、ピッチは正確とは言えません。
そのためピッチ確認用としてガイドボーカルありの音源も作るというわけです。


8.ボーカル音源の調整
歌手の方にボーカル音源をお送りいただいたら、もちろんそのまま使うのではなく、各種調整をします。
まず例えば歯擦音の除去ですね。
人によっては「サ行」それから母音のイの段。
つまりとりわけ「シ」の発音時にノイズが発生することがままあるので、
これはディエッサーというエフェクターで処理。
また発声する際の唾液を切る音なども丁寧に除去します。
そしてこれも人によるのですが、メロ時とサビ時の音量の乖離もコンプレッサーを用いて調整します。
その他ノイズは出来るだけ除去した方がいいですね。
アンサンブルの中に入ると紛れてわからないような気もしますけど、
ボーカル音源をアンサンブルの中に入れるためにマキシマイズした際、
ノイズも増幅されているので、気付いたノイズはすべて除去したいところです。

私の場合、ボーカル音源をいただいたら、
①ディエッサー(歯擦音除去)
②コンプレッサー(全体の音量調整)
③ノイズ除去(ここがすごく時間がかかる)
④ノーマライズ(音圧稼ぎ)
⑤イコライジング(不要な音域カット)
⑥2度目のコンプレッサー(音量調整)
と6つの工程を経てからアンサンブルに組み込むようにしてます。
ここまでやるとノイズが少なく、音割れもせず全体的に音圧の乗ったクリアな音源となります。

9.生楽器の録音
ギターなど打ち込みに頼らず、生楽器の演奏で録音する場合、
①マイク録り
②ライン録り
の2種があると思いますが、私は専ら②のライン録りで済ませます。
①のマイク録りは環境が整っている方はいいですけど、
防音設備や録音設備が整ってない宅録派の方はライン録りがいいでしょう。
で、ここはなかなかの難関です。
日頃弾いてる楽器を音源に合わせミスすることなく弾くことの難しさを実感するところですね。
練習に練習を重ねてもミスる時はミスるもんです。
ここは数打ちゃ当たるで試行回数を重ねてベストテイクではなく、ベターテイクを狙う感じで良いと思います。

ということで、次回は最終調整であるミキシングとマスタリングについてです。

今週のトップ絵。
新規キャンバス606

「へんなコップですね」

ということで、御味噌屋はこともあろうにキャラソン作りに取り掛かっています。
これはエターナル予感しかしない!w